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![]() "TURNSTILES"
Released in 1976
ビリーの曲の中でNo.1を挙げろと言われれば、迷うことなく“Piano Man”と答えるけど、アルバムの中でNo.1となると僕は【The Stranger】ではなく、このアルバムを挙げる。邦題で「ニュー・ヨーク物語」と題された4作目。原題の「Turnstiles」はニュー・ヨークの地下鉄の改札にある回転式のゲートのこと。アルバムジャケットにもその写真が使われている。このアルバム、全米チャートでは惨敗の122位止まり...でも、だからどうしたっていうのさ。売れなかったから良くないなんてのは価値判断の基準になんてならない。ちなみに収録曲は以下の8曲。 1.Say Goodbye To Hollywood ビリーと言えばニュー・ヨーク。大のヤンキース・ファンとしても知られる彼は元々ニューヨークのブロンクスで生まれ、ロング・アイランドで育ったという。その後、様々な職を転々としながら、ニュー・ヨークを離れ、ロサンゼルスへ移住。彼はそこでレコーディングのチャンスを得て、【Cold Spring Harbor】と【Piano Man】、【Streetlife Serenade】の3枚を発表。これらのアルバムがそこそこヒットしたことにより自信を付けたビリーはようやく西海岸を離れ、東海岸へ戻る決心を固めたが、彼が移住したのはニュー・ヨークではなく、そこから北に位置するハイランド・フォールズだったという。彼はハイランド・フォールズでこのアルバムに収録された曲の大半を書いた。 考えてみれば“Say Goodbye To Hollywood”で西海岸に別れを告げ、“Summer, Highland Falls”へと続くという構成も彼の意図みたいなものが見え隠れするし、望郷の想いが“New York State Of Mind”へと結実するという流れが何とも感動的で素晴らしい。その反面、間に挟まれたレゲエ調の“All You Wanna Do Is Dance”の存在がA面の流れに溶け込めずに浮いた印象を受ける。ジャマイカへでも小旅行しているのだろうか?(笑) それに対してB面には絶望、怒り、虚無感の中で過去や未来へ思いを巡らせる男の姿が見え隠れしている。“James”は家族の期待を一身に受けて優等生として生きてきた男に「今の自分の生き方で満足しているのか」と静かに問い掛け、“Prelude / Angry Young Man”ではビリーのアグレッシヴな怒れるピアノプレイに乗せて「怒れる若者」の生き方を歌い上げている。この2曲の「静」と「動」の対比も面白いし、次の2曲“I've Loved These Days”と“Miami 2017”の贅沢の限りを尽くした過去を懐かしみながら、未来の荒廃としたマイアミの姿を想像するという「過去」と「未来」の対比も中々興味深いものがある。 |
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