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![]() "THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY"
Released in 1968 ビートルズ中心に聴いていた僕が、キンクスに興味を持ったのは“You Really Got Me”や“All Day And All Of The Night”を聴いた時が初めてだった。前者はヴァン・ヘイレンがカヴァーしていたのを知っていたので、オリジナルを聴いてさらに好きになった。どちらも「ブリティッシュ・ハード・ロックの源流か?」と思えるような衝撃的かつキャッチーなギター・リフがとても印象的で、「おおっ、こいつらカッコええやんか」と思ったものだ。
何でやねん。
1968年といえば、多くのアーティストがサイケデリックのカラフルな渦から抜け出し、泥臭いスワンプロックへと回帰したり、プログレやハードロックといった新たなロックの可能性が見えてきた転換期。そんな混沌とした年にキンクスはこんなにほのぼのとしたアルバムを作ってしまった。ブライト・ノア風に言えば「キンクス、何やってんの!」ってな感じ(ガンダムネタで失礼)。 “You Really Got Me”を期待して買ってしまったアルバムがこれ...思いっ切り期待ハズレだった。“The Village Green Preservation Society”が流れてきた瞬間、期待と現実のギャップに呆然とした。都会だと思って行ってみたらごっつぅ田舎だった、みたいな。イケメンでカッコいいんだけど訛りバリバリだべさ、みたいな(笑)。とにかくそんな感じで、最初はどうも好きになれなれず、このアルバムは買ってからしばらくCDラックで眠っていた。 今考えてみると、この時の僕の新しい音楽に対する姿勢というのはあまりにも偏屈過ぎる。呆れる程に自己中心的。期待に応えてくれるアルバムじゃないと、すぐに面白くないと見なしてしまう。こんな音楽の旅はつまらんよ。行く先々でハプニング的なことがあるからこそ旅は面白いのに、予想したことが次々と起こる旅なんて面白くも何ともない。ビートルズの曲をカヴァーをしたアーティストに興味を持つというのは以前から音楽の幅を広げるきっかけにしてきたが、これは知人を頼って旅をするようなもの。そこには期待を裏切らない友がいるから安心して旅ができるけど、違う視点から見れば一人旅をする勇気がなくて甘えてるだけなのかもしれない。最近はそんな偏屈なヤツじゃなくなってきたけどね。 さて、偏屈で視野の狭い昔の僕にとって期待ハズレのアルバムとなり下がっていた【The Village Green Preservation Society】だったが、やがて音楽の嗜好というか聴き方が変わったことがきっかけで僕の中での評価が高まった。同じ時期にリリースされていたスモール・フェイセズの【Ogden's Nut Gone Flake】も第一印象は最悪だったが、聴いていくうちにその魅力を徐々に理解できるようになっていった。この2枚って何だか似てるような気がするんだけど...両方ともある意味コンセプトアルバムだし。こういうのを「スルメのようなアルバム」と呼ぶんだな。聴けば聴くほど味が出る、みたいな。 個人的に好きな曲は先に挙げたタイトル曲の他に“Do You Remember Walter”、“Picture Book”、“Animal Farm”、“Village Green”、“People Take Pictures Of Each Other”などがあります。どれも最初はパッとしなかったのになぁ...“Picture Book”なんて聴いた当初は「何かダッサイ曲だなぁ」などと思ってたのに、つい最近「hp」の海外CMにこの曲が使われていたのを知った時は、プリンタなどの周辺機器を扱っている企業だけに、ナイスな選曲だと思ったよ。 |
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